福井県の山中にひっそりと口を開ける「お化けトンネル」。
正式名称は旧北陸線トンネル群。
かつて蒸気機関車が走り抜けた鉄道遺産であり、今なお生活道路として使われる一方、地元では心霊スポットとしても知られています。
歴史の重み、廃線跡の静けさ、そしてほんの少し背筋がひやりとする空気感。
この3つが同時に押し寄せる、まるで時空の境目に迷い込んだような場所です。
この記事では、お化けトンネルの歴史や行き方、各トンネルの特徴、通行時の注意点を体験談とともに紹介します。
現在、トンネル(山中トンネル)が工事中です。
期間:令和7年4月30日〜令和7年11月12日
平日 9:00-17:00の間は通行止め
平日の工事時間は通行止めになるため、訪れるときは注意してください。
※工事時間外と土日祝日は通行可能(要確認)
お化けトンネルとは?

福井県南条郡南越前町にある「お化けトンネル」は、正式名称を旧北陸線トンネル群(山中トンネルを含む)といいます。
北陸トンネルが開通する前に使われていた国鉄北陸本線の旧ルートで、現在は車道や遊歩道として利用可能です。
このトンネル群は国の登録有形文化財・土木学会選奨土木遺産にも選ばれており、鉄道史的にも非常に貴重な存在。
一方で、地元では昔から「お化けトンネル」と呼ばれ、心霊スポットとしても有名です。
昼間でも薄暗く、しっとりと湿った空気が漂い、通るだけで背筋が少しぞくっとする独特の雰囲気があります。

山の中に、明かりもなく真っ暗なトンネルが続きます。夜にはお化けが出そうな雰囲気があります。
現在は、旧国鉄北陸線トンネル群と呼ばれ、鉄道遺産として訪れる方も増えています。
今庄と敦賀を結ぶ間にあり、現在も、鉄道時代のトンネルが道路として使用されていて、通ることが可能。
旧北陸線トンネル群で一番長い山中トンネルの長さは1170m。
お化けトンネルへのアクセス方法
お化けトンネル(旧北陸線トンネル群)へは、今庄側と敦賀側の2方向からアクセス可能です。
▶︎ 今庄側から
- JR南今庄駅を越え、山中峠方面へ進む
- 大桐駅跡を通過
- 山中ロックシェッド(落石防止のコンクリート構造物)を通過
- 山中信号場跡を越えると、最初の山中トンネル入口に到着
▶︎ 敦賀側から
- 国道8号線や国道476号線を経由して杉津PA付近へ
- 旧北陸線トンネル群の入口に入り、山中方面へ進む
今庄から旧北陸線トンネル群への行き方

北陸本線の旧ルートのトンネル群へ行くには、JR南今庄駅の方へ向かっていきます。
JR南今庄駅を越え、道を山の方へと進んでいきます。
少し行くと、大桐駅跡があります。

大桐駅跡を越えてさらに山の方へ進みます。
道路を進むと山中ロックシェッドがあります。
山からの落石から守るコンクリートのシェードです(国登録有形文化財)
さらに進むと道路脇に山中信号場跡があります

山中信号場があった場所で、看板のみあり説明書きがあります。
実際の信号はありません。
山中信号場の先を進むと1つ目のトンネル登場します。
山中トンネル

旧北陸線トンネル群で一番長い山中トンネル
いくつかあるトンネルの中でも、山中トンネルは山中峠を貫き、この県道のトンネル群の中でも最も重要なトンネルです。
トンネル脇には、山中スイッチバックの案内板、山中トンネルの扁額があります。

その横にもトンネルらしきものがあります(待避線用)

このトンネルは行き止まりです(行き止まりトンネル)

中に入ったら、ガサガサ音がしだしたので、急いで戻りました。
多分、鳥(コウモリ)だとは思いますが・・・
気をあらためて、山中トンネルへと入っていきます。

山中トンネルの長さは1キロちょっとです。
トンネルの中はライトがついていますが、薄暗いです。
トンネル内は幅が狭いため、すれ違いはできません。

徒歩で山中トンネルへ行く場合は、JR南今庄駅から1時間ほどかかります。
連続するトンネル群
山中トンネルを抜けると、また次のトンネル(伊良谷トンネル)が出現。
伊良谷トンネルは、信号機がついてます。

信号の待ち時間は3分と書かれています。
本当に青になるのか?と思ったが周りを散策してたら青になりました。

青になったけど、すぐに赤に変わってしまうので注意。
(青の時間が非常に短いです)
伊良谷トンネルに突入

トンネル内はカーブになっていて、トンネル内の見通しが悪いです。
カーブになっていて、対向車が分からないため信号がついています。
伊良谷トンネルを抜けると、次の芦谷トンネルが出現しました。

芦谷トンネル:223m
出口が見える少し短めのトンネルです。

トンネルが連続します(曲谷トンネル)
曲谷トンネル:260m
途中で海が見ます。

天気が悪いので、あまりきれいには見えませんでしたが、天気がいいと見晴らしがよさそうです。
トンネルを進んでいきます。

もう、トンネルが何個あったか忘れるくらいです。

トンネル内部

雨が降っていなくても、トンネル内は湿度で湿っています。
第二観音寺トンネル

第一観音寺トンネルを抜けると、少し広めの道に出ます。

この先が杉津駅があった場所になります。
杉津パーキングエリアは、ぷらっとパークがあり一般道から利用することができます。

杉津から先は、2つのルートに分かれ、国道8号線の方へ降りる道と、旧北陸線トンネル群を通り、敦賀駅の方へ降りるルートがあります。

その後も旧北陸線トンネル群を敦賀市街の方へ進むと、いくつものトンネルが出てきます。
信号付きの長めのトンネルもあります。

信号がある葉原トンネルです。
信号待ちの時間は5分です。
トンネルを抜けていくと、国道476号線に合流し、その道沿いには新保駅跡があります。

道路脇の広場に新保駅跡の看板があります。
その道を進むと樫曲トンネル(樫曲隧道)を通り、敦賀市内へと続きます。
主なトンネル一覧と特徴

トンネル名 | 長さ | 特徴 | 信号の有無 |
---|---|---|---|
山中トンネル | 1,170m | 最長・山中峠を貫くメイン | なし |
伊良谷トンネル | 467m | カーブあり・青信号短い | あり(約3分) |
芦谷トンネル | 223m | 出口が見える短めトンネル | なし |
曲谷トンネル | 260m | 海が見える区間近く | なし |
第二観音寺トンネル | 310m | 湿気多め | なし |
第一観音寺トンネル | 82m | 非常に短い | なし |
曽路地谷トンネル | 401m | 見通しは良いが暗い | なし |
鮒ケ谷トンネル | 64m | あっという間に通過 | なし |
葉原トンネル | 979m | 信号待ち約5分 | あり |
樫曲トンネル | 87m | 敦賀市街側の終点付近 | なし |
歴史と見どころ

最近、山中トンネルの扁額が設置(2ヶ所)されています。
当時のものを再現した複製がルート上に設置され、見どころのひとつになっています。
他にも以下のような魅力があります。
- 蒸気機関車D51が走った鉄道ルート
- 入り口から内壁まで煉瓦造りのトンネル
- スイッチバック跡や旧駅跡(大桐駅跡・杉津駅跡・新保駅跡)が点在
- 山中ロックシェッドや信号場跡など、鉄道遺構が多く残る
かつては何も照明がなく、真っ暗な闇の中を走り抜けたそうです。
現在は電灯がついており比較的安全ですが、当時の雰囲気を想像すると鳥肌が立ちます。
通行時の注意点

トンネル通行の注意点はいくつかありますが、トンネルに入る前に対向車の確認を行ってください。
- 道幅が非常に狭いため、対向車が来たら出口に近い方がバックする必要あり
- 信号付きトンネルは待ち時間が長く、青信号が短いので注意
- 携帯電話が圏外になる区間あり
- 冬季は積雪で通行止めになる可能性あり
- 自転車・徒歩での通行者もいるため、ヘッドライト・反射材を推奨
- 野生動物に注意
- 夜間はさらに視界が悪く、心霊現象よりも交通安全面での危険が増す
<トンネルの注意点>
トンネル進入前に、対向車が来ないことを確認してください。(不安な方は、お化けがいないかどうかも確認してください。)

信号のないトンネルは短めで、出口の光が見えますが、車のすれ違いは難しいです。もし車が来た場合は、出入口に近い側が後退しなければいけません。
そうなった場合は、トンネル内をバックしないといけないので、特に運転の苦手な方は気をつけてください。
旧北陸線トンネル群は、現在も生活道路として使われています。
今回、対向車は3台ありました。
お化けトンネルを訪れた感想

お化けトンネルは、20代前半の頃たまに通っていました。
その頃から、お化けトンネルと呼ばれていましたが、正式名称は旧北陸線トンネル群です。
(お化けトンネルのメインなるのは山中トンネルです。)
現在は、トンネル内に電灯がついていますが、昔は何もありませんでした。
心霊スポットとしても有名で、友達とドライブすることもありましたが、かなり怖かったです。
当時のトンネル建設では事故も発生し、慰霊碑もあります。

今回、改めて通ってみましたが、昼でも独特の雰囲気があります。
ひっそりとしていて、人もいなくて、車とすれ違うこともありませんでした。
道路が狭くリスクもあるので、特別おすすめではありませんが、北陸トンネルの歴史を知る上で重要な場所です。
蒸気機関車D51が走っていたトンネルなので、タイムスリップ気分を味わいたい方、鉄道好きにはいいですが、運転には十分注意してください。
トンネル内を自転車や人が歩いていることもあります。
あと、、、お化けにも注意してください。
近年観光地化され、自転車での通行も増えてきていますので、事故には十分注意してください。
<お化けトンネル>
お化けトンネルの非日常感
敦賀には、D51のサイズが決められたと言われるトンネルがあります。

まとめ

お化けトンネル(旧北陸線トンネル群)は、以下の3つの魅力をあわせ持つ場所です。
- 鉄道遺産としての歴史的価値
- 廃線跡独特の静けさと湿度
- 心霊スポットとしての話題性
訪れる際は必ず安全第一で。
昼間でも独特の空気が漂い、ただ通過するだけで小さな冒険気分を味わえます。
鉄道ファンや歴史好きはもちろん、非日常を求めるドライバーにもおすすめです。
<お化けトンネル(旧北陸線トンネル群)>
住所:福井県南条郡南越前町山中
県道207号今庄杉津線
旧北陸線トンネル群へは、今庄からと敦賀側から行く方法があります。
旧北陸線トンネル群トンネルカードもあります。

<付近の情報はこちら>


興味がある方は、ぜひ訪れてみてください。
コメント
コメント一覧 (3件)
北陸高速道路の敦賀ICから今荘方向へ向かうと上・下り線が大きく分かれ普通(右上り、左下り)の道路と逆になっています。杉津PA先のトンネル部でクロス、普通の上下車線方向(左右)に戻ります。なぜ?? ここもお化けトンネル 摩訶不思議 知っている方教えて!! 北陸線大事故のお化けさんのせい?
コメントありがとうございます。
たしかに高速道路が入れ替わり不思議な感じになります^^
現在の杉津PAの下り線は、昔あった杉津駅の場所に作られています。そこを活用しているから複雑な道になったのかも知れませんが謎です。
杉津PA付近はコーナーもキツく、霧がでたり、冬は雪も降り、事故が起きやすいので注意してください。
ありがとうございました。やっぱり謎ですね。杉津駅は上り下りPAどちらでも使えそうに思いますが、高速道路のルート検討された方に聞かなければ。誰かここを読んでいませんか?。1月末に北陸金沢に向かいますが、積雪が心配で車をやめてのんびり鉄道で行く予定のため、杉津通過は北陸トンネルの中です。