花筐公園の薄墨桜を見に来たことはありますか?
その先の山道をもう少し登ると、福井県越前市に残る中世山城のひとつ、行司ヶ岳城址(粟田部城跡)にたどり着きます。
「城址に何があるの?」「どのくらいで登れる?」「歴史的にどんな意味のある場所?」
そんな疑問を持つ方のために、この記事では行司ヶ岳城址の歴史・見どころ・行き方・コースタイムを徹底的にまとめました。
この記事でわかること
- 行司ヶ岳城址の基本情報と城址の現状
- 朝倉氏との歴史的なつながり
- 城郭としての縄張り構造と遺構
- 花筐公園からの行き方・駐車場情報
- 所要時間・難易度と周回ルートの楽しみ方
行司ヶ岳城址(粟田部城跡)とは?花筐公園に眠る朝倉氏の山城

行司ヶ岳城址は、福井県越前市粟田部町の花筐公園裏山に位置する、中世に築かれた山城の跡地です。
正式名称は「行司ヶ岳城」で、粟田部城とも呼ばれています。
今立地域では最大規模の山城であり、城郭史の観点からも注目度の高い遺跡。
城は現在存在しませんが、整備が進んでおり、現地には案内看板とベンチが設置された広場があります。道標もしっかり整備されているため、登山初心者でも迷わずたどり着けます。

花筐公園を訪れた際は、薄墨桜を目指して山道を登るとそのまま城址に続く道に入れます。公園の延長として気軽に立ち寄れるのが大きな魅力です。
今立地域最大規模の中世山城
行司ヶ岳城は、越前市粟田部町と中津山町の背後にある行司ヶ岳の山頂部(標高317メートル)に築かれた山城です。
北東から南西に延びる尾根上、約500メートルにわたって遺構が残されており、今立地域に現存する山城としては最大規模とされています。
城址に残るものは?看板・広場・曲輪の現状
現地には木製ベンチと案内看板が設置された広場があります。
城の主郭(本丸にあたる区画)に相当する曲輪(くるわ)は狭いものの、その場に立つと右手に今立方面、左手に河田方面を一望でき、当時の戦略的な視点が実感できます。
行司ヶ岳城の歴史と朝倉氏との関係
行司ヶ岳城址の最も重要な歴史的背景は、越前を治めた朝倉氏との深いつながりにあります。
城主・朝倉景盛とは?麓の粟田部館との関係
城主については、朝倉氏の一族である朝倉景盛(あさくら かげもり)とする説が有力です。
麓には居館として「粟田部館」があったとされており、山城と館がセットで機能していたと考えられています。
この城は、江戸時代には城名だけが伝わり、場所も詳細も長らく不明のままでした。近年の調査によって、ようやくその実態が明らかになった経緯があります。
一乗谷への要所として築かれた戦略的な立地
城が置かれた位置は、朝倉氏の本拠地である一乗谷へ至る街道の要所にあたります。
朝倉氏はこの城を「一乗谷を守る抑え」として機能させていたと考えられており、行司ヶ岳城は単独ではなく、戸谷城をはじめとする周辺の6つの出城と連携した防衛ネットワークを形成していました。
山の上に立ってみると、視界の広がりと地形的な優位性を体感でき、当時の城主がここを選んだ理由が自然と腑に落ちます。
行司ヶ岳城の縄張り構造と見どころ


行司ヶ岳城の最大の特徴は、独特な縄張り(城のレイアウト設計)にあります。
城郭ファンにとっては、この遺構を読み解くこと自体が訪問の大きな楽しみになります。
尾根上500mに広がる郭(曲輪)と堀切
行司ヶ岳城は、北東から南西に延びる尾根上、約500メートルの範囲に多数の郭(くるわ)と堀切(ほりきり)が築かれています。
行司ヶ岳城では尾根の稜線にはあまり手を加えず、斜面の東側・西側に多くの郭を配置するという、この城ならではの縄張りが施されています。
城址からの眺望と現地の雰囲気


城址に近づくにつれて木々の間から視界が開け、ベンチのある場所では粟田部(旧今立)の町並みを一望できます。
右手に今立方面、左手に河田方面を見渡せるロケーションは、まさに見張り台としての機能を今に伝えるようです。
城址の広場自体はこぢんまりしていますが、静かな山中に突然現れる整備されたスペースは、訪れた人に独特の達成感を与えてくれます。
行司ヶ岳城址への行き方・アクセス・駐車場
行司ヶ岳城址へのアクセスには主に2つのルートがあります。
どちらから登るかによって所要時間や雰囲気が変わるため、目的や体力に合わせて選んでください。
花筐公園からのルート(薄墨桜経由)


最もポピュラーなルートです。花筐公園の展望台(琴弾山展望台)を起点に山道を登ります。
途中の薄墨桜の分岐点には行司ヶ岳城址を示す看板があり、そこを目印に進めば迷わずたどり着けます。
- 花筐公園 → 展望台まで:徒歩約10分
- 展望台 → 城址まで:山道を徒歩約40〜50分
春は薄墨桜(県指定天然記念物・樹齢600年以上)とセットで楽しめるため、桜の時期は特にこのルートがおすすめです。
逢坂山公園からのルート
行司岳山頂だけを目指す場合は、逢坂山(おうさかやま)公園側から登るルートが時間的に短いです。
整備された登山道を約50分で城址に到着できます。登山口には駐車スペースもあります。
駐車場・公共交通機関でのアクセス
車でのアクセス
| 駐車場 | 台数 | 備考 |
|---|---|---|
| 佐山姫公園駐車場 | 約50台 | メインの駐車場 |
| 花筐公民館前 | 16台 | ― |
北陸自動車道 武生IC・鯖江ICから車で約8〜10分。
公共交通機関でのアクセス
武生駅(ハピラインふくい)から福鉄バス「北中山公民館行」に乗車し、「花筐公園口」で下車。そこから花筐公園展望台まで徒歩約10分。
花見シーズン(3〜4月)や紅葉シーズン(11月)は駐車場が混雑します。早朝の訪問か平日がおすすめです。


行司ヶ岳城址のコースタイム・難易度は?初心者でも登れる?


標高317mと低山の部類に入る行司岳は、ハイキング感覚で挑戦できる山です。
登山道は整備されており、初心者でも安心して歩けます。
所要時間の目安と難易度評価


| コース | 所要時間の目安 |
|---|---|
| 花筐公園駐車場→展望台 | 約10分 |
| 展望台→行司ヶ岳城址 | 約40〜50分 |
| 城址→行司岳山頂 | 約10〜15分 |
| 往復(花筐公園〜城址〜山頂) | 約2〜3時間 |
難易度は初心者〜中級者向け。道中に急な登りの区間もありますが、木製ベンチも設置されており、適宜休憩しながら登れます。


装備・服装・注意点


特別な登山装備は必要ありませんが、以下の点に注意してください。
- 運動靴またはトレッキングシューズ(サンダル不可)
- 雨天後は道が滑りやすくなるため注意
- 飲料水を持参(山中に自動販売機・売店なし)
- 冬季は積雪の可能性あり
花筐公園〜行司岳〜逢坂山の周回ルートを楽しむ


行司ヶ岳城址は「目的地」としてだけでなく、花筐公園から行司岳山頂・逢坂山公園へとつながる縦走コースの通過点としても楽しめます。
歴史・自然・眺望の三拍子がそろったルートです。
薄墨桜(県指定天然記念物)とのセットプラン


花筐公園から城址へ向かう途中には、樹齢600年以上とも伝わる薄墨桜があります。
継体天皇にゆかりがあるとされ、福井県の天然記念物に指定されています。
春の開花シーズン(3月下旬〜4月上旬)は特に見応えがあり、薄墨桜を鑑賞してそのまま城址へと歩を進めるルートが人気です。


行司岳山頂からの眺望と先へのルート


城址を過ぎてさらに登ると、行司岳山頂(標高317m)に到着します。
山頂は小さな広場になっており、北側の眺望が開けて今立・戸の口方面を見渡せます。
山頂から逢坂山公園方面へ続く登山道を使えば、周回コースとして歩くことも可能です。
また、尾根を西に進むと南三里山へとつながり、「福井里山トレイル」の一部として楽しむこともできます。
ポイント: 春は花筐公園側から登り、逢坂山公園側へ下山するルートがおすすめです。歴史と自然を存分に楽しめる充実した半日コースになります。


よくある質問(FAQ)


Q:行司ヶ岳城址(粟田部城跡)とはどんな場所ですか?
A:福井県越前市粟田部町の花筐公園裏山に位置する、中世山城の跡地です。今立地域最大規模の山城で、朝倉氏の一族・朝倉景盛が城主とされています。
現在は広場・案内看板・ベンチが整備されており、登山の途中で立ち寄れます。
Q:行司ヶ岳城址への行き方は?
A:主なルートは2つあります。花筐公園の展望台を起点に薄墨桜を経由して登るルート(展望台から約40〜50分)と、逢坂山公園側から登るルート(約50分)です。
花筐公園側のルートが最もわかりやすく、初めての方に向いています。
Q:花筐公園から行司ヶ岳城址まで何分かかりますか?
A:花筐公園の駐車場から展望台まで徒歩約10分、展望台から城址まで山道を約40〜50分、合計で約50〜60分が目安です。
往復は2〜3時間を見込んでおくと余裕を持って楽しめます。
Q:行司ヶ岳城の城主は誰ですか?
A:一説によると、朝倉氏の一族である朝倉景盛とされています。麓には居館「粟田部館」があったとされ、一乗谷へ至る街道の要所を守る拠点として機能していたと考えられています。
Q:薄墨桜と行司ヶ岳城址はセットで回れますか?
A:はい、セットで回れます。花筐公園の登山道を進む途中に薄墨桜(県指定天然記念物・樹齢600年以上)があり、そこからさらに登ると城址に到達します。春の開花シーズンは特におすすめのルートです。
Q:行司岳は初心者でも登れますか?
A:はい、登れます。標高317mの低山で、登山道は整備されています。
運動靴があれば特別な登山装備は不要です。ただし、雨天後は道が滑りやすくなるため、滑りにくいシューズを着用してください。
まとめ
行司ヶ岳城址(粟田部城跡)は、花筐公園からひと登りするだけで朝倉氏の歴史と中世山城の遺構を体感できる、越前市きっての歴史散策スポットです。
薄墨桜とセットで訪れれば、自然と歴史を同時に楽しめる充実した半日コースが完成します。
ぜひ一度、山の上の城址に足を運んでみてください。


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