福井市美術館で高田博厚の彫刻を見る|常設展示の見どころと感想

福井市美術館に、高田博厚(たかた ひろあつ)の作品が数多く展示されているのをご存じでしょうか。

福井市美術館(アートラボふくい)では、高田博厚の彫刻を中心に、福井にゆかりのある芸術作品を常設で楽しむことができます。

静かな空間でじっくり作品と向き合えるので、福井市内で落ち着いた時間を過ごしたい方にもおすすめです。

※この記事には、2017年に開催された企画展の記録も含みますが、現在は終了しています。現在は常設展示が中心です。

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高田博厚ってどんな彫刻家?

高田博厚(1900–1987)は、日本を代表する彫刻家・思想家・文筆家です。

石川県生まれですが、父の郷里が福井であり、2歳から18歳までを福井で過ごしました。

その後は上京し彫刻の道へ進み、フランスに渡ってヨーロッパの文化人とも交流しながら活動を続けた人物です。

高田博厚は、中原中也の胸像を制作した彫刻家としても知られています。

福井市美術館に高田博厚の作品が多い理由

福井市美術館には、高田博厚の彫刻作品が全国でも屈指の数で展示されています。

彫刻約80点、素描約10点が所蔵されており、ゆかりの地・福井で彼の芸術に触れられる貴重な場所です。

常設展示の見どころ作品

福井市美術館

福井市美術館で特に印象に残る代表作はこちらです。

「左手」

高田自身の左手をモデルにした彫刻。

親指の形が特徴的で、単なる手の再現ではなく、作者の人生そのものが刻まれているように感じます。

「カテドラル」

代表作のひとつで、パリ時代に制作されたトルソー作品。

頭や四肢を欠いた胴体だけの彫像ですが、力強さと静けさが同居する不思議な存在感があります。

「ガンジー」

高田博厚はガンジーと深い交流があり、無償で像を制作したとも言われています。

彫刻からは、人物の表面だけでなく精神性まで表現しようとする姿勢が伝わってきます。

高田博厚の魅力|「心の奥を彫る彫刻」

高田博厚の彫刻が印象に残るのは、ただ顔や形を似せるのではなく、その人の内面まで表現しようとしている点です。

肖像彫刻というと「そっくりに作るもの」というイメージがありますが、高田の作品はそれだけではありません。

目に見える姿の奥にある人格や生き方まで掘り下げているように感じます。

フランスの作家ロマン・ロランは、高田博厚について

「高田は精神を形にする芸術家だ。彼は指で思索する」

と語ったとも伝えられています。

作品を見ていると、彫刻というよりも、作者が粘土を通して相手と向き合い、語り合っているような空気があります。

高田博厚は高い評価を受けながらも名誉を求めず、ひたすら本質を追い続けた人でした。

その姿勢が作品にも表れているからこそ、私たちは表面だけではない「魂の表現」に触れられるのかもしれません。

福井市美術館で作品を前にすると、静かに心を揺さぶられる時間になると思います。

【参考】2017年企画展の記録(現在は終了)

2017年には没後30年を記念して、

「高田博厚展―対話から生まれる美」
(2017年9月16日〜11月5日)

が開催されました。

「高田博厚展―対話から生まれる美」では、肖像を中心に彫刻、スケッチなど18歳のときの油彩画「自画像」や貴重なドローイングも並べられていました。

作品解説会が行われ、高村光太郎と妻千恵子、高田の人間模様を描いた朗読劇が上演。

高田博厚という人物の人間性に触れられる展示だったのが印象的でした。

高田博厚を、一言では言い表わせませんが、社会的名誉など求めていない男の作品には、魂が宿っているように感じました。

※現在は終了しています。

福井市美術館の入館料・開館情報(2026年版)

「一期一会。」

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